冬山を安心・安全に活動するためには、ギア選びが大切になってきますが、どれを選んだらよいか「ワカンな~い」というボケをかますようになったら、いよいよ危ないカモ知れませんね。
こんにちは。
なんちゃって登山家の「ごっ。」と申します。
言わなければ良いダジャレを言うオジサンになって久しくなります。
寒いですね。
でも、冬山はもっと寒いし、スベリやすいですよ。
(危険を回避するには、スノーシューを買うしかないカモ知れません)
というワケで・・・
今回は特に、スノーシューを購入する際のポイントをリスクマネジメントの観点から色々と考察し、皆さんのスノーシュー選びのお手伝いをしたいと思います。
最初に断っておきます。
いきなり「冬山」や「スノーシューの選び方」の話に入ると、間違ってしまいそうなので、まずは基本に立ち返って考察していきたいと思います。
冬山はもちろん、春から秋までの基本的な登山のリスクマネジメントを踏まえておかないと、スノーシュー選びも間違ってしまうかも知れないからです。
「そういうのはイラネー」「メンドクセー」「おまん釈迦に説法ぜよー」と言う方は、どうぞココは読み飛ばして、「ワカンではアカンのか!?」からお読みください。に
「登山を全くやったことがない人」や「いきなりウインタースポーツでスノーシューを楽しみたい人」「冬山初心者」の方のために書いていますので、お手数ですが少々お付き合いください(
登山。そもそもの基本として「自分はリスクマネジメントが取れているのか!?」
登山はリスクを伴うアウトドアスポーツです。
全ての行動や行為、準備等に対して、「リスクマネジメントは取れているのか!?」と自らに問うことが必要になってきます。
春~秋のリスク
春から秋にかけての登山リスクには、どんなものがあるのでしょうか。
・転倒骨折、病気、ケガ等の体調不良
・疲労等による体力消耗、動作不能
・アブ蚊、蜂、ヒル等の毒虫、イノシシ、熊などの襲来・獣被害等
・食料不足、水不足
・携帯、スマホ、GPS機器等の紛失・故障・バッテリー切れ
・雨・風・雪・暴風雨等の悪天候、水増し等による退路遮断
・道迷い、パーティーとのはぐれ・分断・音信不通・接触不能、遭難等
・登山靴、ウエア等の水濡れ、破れ等による歩行困難、低体温症等
・不意の便意に対する準備
・持参品、持参アイテム等の紛失、故障
・その他etc
ちょっと考えただけで、これだけのものが出てくるあたり、いかに登山がリスクにあふれたアウトドア活動なのか分かるかと思います。そして、このリスクの先には、私たち自身の生命の危機「死」が隣り合わせであることも忘れてはならないことです。
だから、登山をする人間には、その経験値や腕前というものによる分類が、初心者とか中級者、上級者、プロ級ということに関わらず、チャレンジしようとする対象の山々ごとに、そのリスクをつぶしていく技能や心構え、準備等を万全にすることが求められることになります。
中・上級者あるある「お前なにやってんだよ!」
リスクマネジメントを考察する時、勘違いしてはならないことがあります。
登山活動において、リスクマネジメントを取ることは「努力が求められる」のではなく、「義務が求められている」というところです。
だから、それを万全にしない場合、非難の対象となります。
まあ、何もなくて、予定どおり家路につくことが出来れば、誰からも非難されることはないのですが、「事故・遭難」ということになれば、それはもう「お前なにやってんだよ!」ということで怒られてしまいますよね。
誰に怒られるのか。
警察、山岳救助隊、自衛隊、会社の同僚や地域の方々、友人、親族そして家族でしょうかね。
家族の場合は、例え「事故・遭難」等でなくても、予定時間を過ぎてしまったり、連絡を忘れてしまったりするだけで、心配をかけたり、不安にさせてしまっているワケですから、そこは常に自覚しておかなければいけません。
でも、何故かこういうものは、「初心者よりも中級者・上級者の方がおろそかになりがち」だということも意識しておきたいところです。
中級者・上級者の方は経験を積んでいる分、山に慣れています。
でも、その「慣れ」は時に油断を生みスキをつくるものでもあります。中・上級者ほど、そういう落とし穴にハマりやすくなるという構図が生まれるのでしょうね。
正直なことを言うと、「お前なにやってんだよ!」で済めば、後々は笑い話になるから良いのです。
取り返しのつかないことが、山では毎年、普通に発生しています。
冬山に限らず、遭難や死は、全然珍しいことではなく、「山では普通にあるある」であることを忘れないようにしておきましょう。
リーダーには感謝しよう!
私はソロ登山が基本なので、常にリスクマネジメントを意識しているつもりです。
でも正直なところ、パーティ(複数人)で登る場合はリーダーに頼ってしまう傾向があり、いつもよりその辺りの意識がユルくなっているような気がします。
(ホントはそんなことではダメなんですけどね)
実際のところ、あなたが連れて行ってもらうだけの立場ならば、そういうのが許されるケースもあるでしょう。でも、その場合、リーダーになってくれている方は、色々と調べて準備をしてくれていたり、あなたの代わりに気を張ったりしているハズです。それはかなり大変なことですし、自分がリードする立場にならないと分からないかも知れませんが、間違いなくリーダーには、想像以上の負担がかかっているのです。
だから、リーダーには感謝しなくてはならないし、少しでもリーダーの負担を減らしてあげたいと思うのであれば、あなたがその分をきちんと準備してあげれば良いのです。準備物はもちろんですが、丹念に下調べをしてくれている人がパーティーの中にいると、それだけでリーダーの負担は軽くなるということを意識しておきましょう。
(コレ重要。覚えておいてくださいね!)
春~秋のリスク(解答例)
山登りのリスクを先に述べたまま放置していましたね。
「春~秋のリスク」に対する対処方法を私なりに考えてみました。
あくまでも私の解答例であり、「正解」ではないですからね。
(この予防線がリスクマネジメントなのであります)
・充分なトレーニングと経験を積み、下調べを丹念に行うとともに、当日までに登山計画を提出する
(登山計画書は各自が登山アプリ等を利用してネットから提出することも出来ます)
・足吊り(こむらがえり)対策用の漢方薬・鎮痛剤等
・頭からかぶる虫除けネット、ポイズンリムーバー、熊鈴、虫よけ・ヒル除け等の薬、スズメバチ駆除 スプレー・熊除けスプレー
・山行に必要な食料・水(予備分も含む)
・地図とコンパス及びスマホ。スマホは事前に地図をダウンロードをしておくとともに、充電は満タンにしておく(その他、予備スマホ、ソーラーバッテリーシステム、モバイルバッテリー等)
・レインウエア、防寒着
・エスケープルートの確保
・ヘッドライト(予備電池必須)、ツェルト等
・遭難に備えて「ココヘリ」等を契約したり、JIRO等の登山保険に加入しておくことも重要。
・パーティー(複数人のグループ登山仲間)とは、アクシデントの際には「どのように行動するか」を事前打ち合わせしておくこと
・ゴアテックスのシューズ、完全防水ソックス、汗対策用のアンダーウエア等の導入、カイロ、下着及びソックス等を含む着替え類一式
・携帯トイレ、トイレットペーパー、シャベル
・ガムテープ、絆創膏、医薬品などなど
万全にしろとは言ったものの、書いてみると準備の多さにウンザリしますね(笑)
でも、これだけ書いていてもまだ足りないとも思うので、必然的に持ち物は多くなるし、重くなりますよね。調理をする場合は、さらにバーナーやクッカー、ガス缶なども必要になってくるし、そもそも登山は「荷物がやたら重い」ので、だからこそ「軽量化・軽量登山」ということが言われるのだと思います。
私だって「軽さは正義」と言われたら反論できませんが、それは一つひとつのパーツ、アイテムの重量のことであって、「持っていかない」「準備しない」ということではないですからね。
(当然、目指す山や山行計画等によって、「省略できるものは省略して良い」と思います)
さて、長たらしく書きましたが、これが春~秋の装備品・準備物の最低限のものということです。
当然ながら、冬山に入るということは、さらなる装備をそろえる必要があり、必然的に荷物はさらに重くなります(笑)
冬の装備品
ではでは、お待ちかねの冬装備。
ナニを用意したら良いのでしょうかね!?
・ヘルメット
・ピッケル
・アイゼン(もしくはチェーンスパイク)
・ワカン(もしくはスノーシュー)
・ゴーグル(+バラクラバ)
・ストック(ポール)
・冬用グローブ(予備グローブ)
・冬用ウエア(上下)+防寒着
・冬用登山靴(+スパッツ等)
多いですよね(笑)
山道具は高いので、全てをそろえる前提で、スノーシューは選ばなければなりません。
前置きがチョー長かったのですが、これを言いたかったのです!
冬山登山は、春~秋とは比べものにならないくらい、命の危険を伴うものだということは、私が力説するまでもなく、皆さん分かっているかとは思います。
私はソロ登山派だということを書きましたが、冬山だけは別です。
必ず、複数人で入るようにしています。
装備を万全に整えることが出来る人でなければ、冬山に挑戦する資格はないと思っています。
登山にはお金がかかります。
冬山はもっとかかります。
それを前提として、ようやく「スノーシュー選び」の本題に入りたいと思います。
ワカンではアカンのか!?
さて、繰り返しになりますが、登山の道具ってアホみたいにお高いですよね。
スノーシューもまた当然お高いです。
そもそも、何故にスノーシューを買おうと思ったのでしょうか。
ワカンではアカンのですか!?
「アカンことないよ」という方は、迷わずワカンを購入してください!
冬山初心者の方へのおススメは2つあります。
ワカンとアイゼンの最強タッグはコレだ!
①エキスパートオブジャパンのワカン+クロモリ10P卍セット(併用可能な10本爪専用アイゼン)
(予算=約15,000円+約20,000円=35,000円)
②モンベルのカジタックススノーシュー56+カジタックスアイゼン(併用可能な10本爪専用アイゼン)
(予算=約20,000+約17,000円=37,000円)
この①②は、アイゼンとワカンを併用して使用することができるという共通した特徴があります。よほど慣れている人は別にしても、基本的にアイゼンもワカンも装着、脱着に手間と時間がかかるという欠点があります。そして、意外と併用するという発想はあまりなく、その山の局面によって履き替えるのがスタンダードとなっているようです。
冬山は天気が良い時ばかりではありませんので、吹雪などの厳しい気象条件下でのギアの脱ぎ履きを想定すると、それはリスクを生む行為にしか思えないんですよね。手先が器用ならば良いのですが、私のように不器用な人は、しっかりとギアを装着するためには、グローブを外してヒモを絞めたりしないと、途中で外れてしまう恐れがあると思うのです。
だから、私は「濡れ」「脱着・収納の時間」「その際のギアの紛失の可能性」等を考慮すると、装着・脱着の回数は少ない方が良いと考えます。アイゼンの歯が常に効いていれば、登り下りでも滑る心配が少なくて済みますし、トータルで考えてもワカンとアイゼンは、併用できるならば、そちらの方がメリットが大きいということで、この組み合わせをおススメしています。
なお、②に関しては、スノーシューって言ってるけど、「ワカンやろお前!」と、ワタクシ的にはワカン認定した一品となっています。
※2023年(令和5年)にモンベルは「アルパインスノーシュー56」を出しましたが、これはワカンではなく、完全なるスノーシューで全くの別物です。
正直、スノーシューを買うぐらいだったら、上記の①②を買った方が汎用性が高いし、使い勝手が良いと思います。
むしろ、ワカンもアイゼンもない人であれば、まずはココから始めるべきでしょうし、逆から入る(スノーシューを先に買う)のはどうなのかとも思っています。
ここは、その人がどういう冬山に入ることを想定しているかによっても違ってくるので、よくよく考えておくべきポイントではないでしょうか。
ワカン VS スノーシュー「結局、どっちが最強なん!?」
良いものを選ぶためには、「VS思考」が大切らしいです。
対決してナンボ。
勝負に勝った方が良い品に違いない。
そういうのはオモロイし、真理だと思います。
早速、やってみましょう♪
ワカンは軽く、携帯性に優れています。
スノーシューは持ち運びするには重く、難点があるとも言えます。
ワカンは装着に時間がかかり、外れやすいという欠点があります。
(ラチェット式のものは外れにくいし、装着も比較的簡単ですが、ワカンの優位性である軽量性、携帯性というところが中和されてしまい、中途半端な仕様ではないかと思います。だから却下)
スノーシューは装着時間はワカンと比べれば短くて済むし、比較的外れにくいです。色々なタイプがあり、実は外れやすいタイプも少なくないのですが、それは当然、選択肢からも外れてくるので、「外れにくい」と断言しておこうと思います。ややこしや(笑)
フカフカの新雪に入る場合、ツボ足では腰まで埋まってしまうこともあり、なかなか前に進めないということが良くあります。ワカンの浮力には限界があります。ツボ足で腰まで埋まるような雪山では、膝まで沈む程度に軽減されるというのが利点と言えば利点です。一方、スノーシューの浮力はハンパないです。どんなに沈んだとしても膝下程度まででしょう。
(新雪下における浮力の程度差)
・ツボ足(腰まで沈む)=ノーギア、ノーアイテム、丸腰
・ワカン(くるぶし~膝上まで沈む)
・スノーシュー(くるぶし~膝下まで沈む)
急な上り坂の場合、これはワカンでもスノーシューでもあまり関係ないかと思います。
(むしろ、アイゼンでツボ足の方が良かったりします。ケースバイケースですね)
急な下り坂の場合、ワカンは問題ありませんが、スノーシューでは横歩き等が必要な場合があります。
木などの障害物を避けたり、後ろに下がる動作をしなければいけない場合、ワカンは比較的取り回しが楽というか、動きが制限されることはあまりありませんが、スノーシューはバックステップすることが難しいという欠点があります。
ワカンvsスノーシューという対決にした場合、浮力で言えばスノーシューに軍配が上がるワケではありますが、そんな単純な話でもないということですね。
結局、最初に戻りますが、あなたがどういう冬山に入るかによっても、選択肢は変わって来るのではないかと思うのです。
(なお、お金がある人は迷わず両方買っちゃってくださいね。正直、リスクはお金で買えると思っています。ハイスペックな山グッズを買える人は、買えない人よりも安全・安心な山登りをすることができると確信しています。)
ワカンは比較的安い。
スノーシューはお高い。
予算がない人はワカンを買うしか選択肢がない。
私も最初はこのように考えていましたが、実は違います。
ワカンだけではアカンということは、これを読んだ方には分かってもらえると思うのですが、ワカンを選択する場合、「ワカン+併用できるアイゼン」も一緒に購入する必要があります。
おススメの組み合わせをご紹介したとおり、結局はワカンを選択した場合でも「35,000~37,000円」はかかってしまいます。
この予算があるならば、充分ハイスペックなスノーシューを買うことも出来る訳です。
ここから、いよいよおススメのスノーシューを紹介していきたいと思いますが、結局、皆さんは紹介するスノーシューと前述の「ワカン+アイゼンの組み合わせ」とを比較して、より自分の冬山の山行スタイルに近いものを選ばなければいけないのだと思います。
ですから、ワカンかスノーシューの2択ではなく、どういう山をメインにアタックするのか、トータルで検討されるようお願いいたします。
こうやって何を買うのか悩むのも山登りの楽しさの1つですよね。
ええなぁ(笑)
スノーシューは老舗メーカーから選ぶのが王道
スノーシューを買うならば、老舗メーカーから選ぶべし
何事も王道を歩むことが上達への近道
安全・安心度も全く違う
(それだけ長く冬山に向き合ってきたメーカーということですからね)
王道の老舗メーカーは4社
①MSR(アメリカ)
②タブス(アメリカ)
③モンベル(日本)
④TSL(フランス)
なお、この4社から選べというのは、もう一つ理由があります。
この4社に共通しているのは、きちんとしたメンテナンス部門があることです。
スノーシューは安い買い物ではありません。
不具合が生じたり、修理が必要になった場合、その度にあらためて買い直すのは経済的にダメージがデカ過ぎますよね。
でも、メンテナンス部門があれば、その点は安心です。
本体が大破するようなケースでない限り、ほとんどのパーツは付け替え等の修理をすれば何とかなるものです。
もちろん、修繕費用は買い替えるよりも断然お安いこと間違いなし!
王道の老舗メーカーから買うということは、最初はちょっとお高い買い物かも知れませんが、長い期間使えるという点で、結局コスパ的にも良いということになるのです。
まあ、たとえワンシーズンで壊れたとしても、10,000円程度の新しいモノを毎年買った方が良いという考え方もあるでしょう。
それはそれで分かるのですが、得てして安物は壊れやすくなっているもの・・・
2回位それを繰り返して、3回目の購入の時に
「最初に30,000円の良いヤツを買っとけば良かったぁ」となる位なら、この4つのうちから選んでおくのが、良いと思うんですけどね。
(ワタクシはRPGで武器を買う時も、そんな思考をしてしまいます。一点豪華主義の傾向があると言ったら良いのでしょうかね。イヤ、クセなんだろうな・・・。)
MSR(アメリカ)のスノーシューのおススメ
MSRのスノーシューというか、スノーシューを買うならば・・・
「ライトニングアッセント」の一択で決まりでしょう。
ハイ終了(笑)
ご存じMSRスノーシューのハイエンドモデル。
歩きやすさ、登攀力(ヒールリフトあり)、トラバース性能、フィット感、装着のしやすさ、壊れにくさ、軽さ、ザックへの収納のしやすさ、どれを取っても他のメーカーの追随を許さないスノーシューの王様。
値段も王様価格で、大体6万円ぐらい・・・。
買える人はコレを買いましょう♪
お金に余裕のあるアナタは、この先も読む必要ナシです(笑)
タブス(アメリカ)のスノーシューのおススメ
お金に余裕がないアナタにおススメするメーカー、それがタブスとなります。
そして、実はワタクシのイチオシのメーカーさんでもあります。
その中でもお値段コミコミでおススメする本命の商品。
それがコレです!
「フレックスVRT25」
タブススノーシューのハイエンドモデル。
登攀力(ヒールリフトあり)、トラバース性能、フィット感、装着のしやすさ、これはMSRのライトニングアッセントに引けを取らないと言っても差し支えないかと思います。
さらにコレは、BOAシステムを搭載しているので、装着のしやすさでは他メーカーも含めて、ナンバーワンの一品と言って良いかと思います。
グローブをしたまま、ダイヤルをクルクル回すだけで履けるので、慣れれば両足の脱着に5分とかかりません(というか、片足に1分ぐらいかな?)
BOAの良いところは、装着した時に均一にワイヤーで靴を締めるので、足が苦しくならないというところと、ほとんど外れることがないというところです。
実は、VRTの重量は両足で1.98㎏あって、これは決して軽くない重さです。
でも、BOAのおかげで靴とスノーシューとの一体感がハンパないためか、歩いた時にあまり重さを感じることがありません。
歩行途中でスノーシューが外れたり、装着が緩むという事例は、結構アルアルなことで、それが故に「このスノーシューを選んだのは失敗だった」というのはよく聞く話です。
その点、BOAシステムを搭載しているスノーシューならば、そういう心配は無用です。これはだから、VRTだけでなく、他のスノーシューであってもBOAがあれば同じということになります。
BOAがあるかないかは、選択する際の大きなポイントとして捉えておくと良いでしょう。
でも一応、BOAの弱点というか、デメリットの部分も言っておきたいと思います。
それは外れにくいというところです。
これはメリットであるとともに、デメリットでもあるのです。
実はスノーシューは登りは良いのですが、下りはコツが必要というか難しいところがあります。
なので、結構前のめりに転倒することがあったりします。
スノーシューを履いたままで下るような場面は、比較的柔らかい雪が多いでしょうから、転倒時の身体へのダメージはさほど心配はしなくても良いと思います。
心配するのは下りでの転倒で、ツリーホールとか、クラック、落とし穴等で足が挟まって動けなくなくなるケースです。よくバックカントリースキーで、ツリーホール(木は暖かいので木の周りは雪がないケースが多い。そこに雪が降ると落とし穴のようになることが多い)に頭から落ちて脱出不可能になることを聞いたりしますが、同じ現象が起きる可能性があります。
もう1点はBOAはごっついので、ザックへの取り付けがあまりスマートではないというところ。
(ま、ゴムバンドで止めれば問題ないですけどね)
また、壊れやすいと聞いたことがあるというところでしょうか。
壊れやすいという噂の真相は正直分かりませんが、BOAシステムはスキーやスノボの靴にも採用されている位だし、BOA自体のメンテナンスシステムが整っているので、壊れたら修理しちゃえば良いので、そんなに気にしなくても良いかと思います。
さて、気になるのはお値段ですが、35,000~45,000円位といったところでしょうか。
他にもシリーズがありますので、お好みで選んで良いと思いますが、個人的にはタブスに関してはこの商品一択だと思っています。
ちなみにフレックスシリーズは、他にも
BOAでなくて、両手で引っ張り装着する「ALP」
(単純構造なので壊れにくい)
ザックへの取り付けが重ねても薄い「TRK」
などがあるが、正直なところどれも中途ハンパ感が否めない。
10,000円程度しか違わないなら、何とかお金を工面して、VRTを買った方が後悔しないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
モンベル(日本)のスノーシューのおススメ
モンベルはアメリカのアトラス社と提携しているので、アトラスのスノーシューがおススメとなります。
①「ヘリウム BC」
②「ヘリウム トレイル」
③「ヘリウム MTN」 のヘリウムシリーズが人気だと思いますが、これって本体がプラスチックなんですよね。耐久性のところで、正直長く使えるとは思えないので、コレはパス。
おススメは、本体がアルミフレームで出来ているレンジシリーズ。
「レンジ BC」はヘリウムシリーズと同じように、ザックに重ねて取り付けできるのでスマートです。ただし、お値段が48,000~38,000円位して、結構お高めです。
BOAのタイプで「レンジMTN」ってのもありますが、これは更に5,000~6,000円高いので、あまりおススメできません。
とか何とか言っているうちに、モンベルさんやってくれました。
「アルパインスノーシュー56」
これはもう、レンジシリーズの「レンジ BC」とほぼ一緒のような気がするのですが、驚くべきはその安さです。税込み19,800円!?
アレ!!!!!
コレ最強じゃないの????
他の買う必要ある!?
どうやら、ほぼほぼ結論が出たのではないでしょうか(笑)
こんなん反則級だと思うけど、それをやってくれるのがモンベル様なのでございます。
やっぱり、日本のメーカーが一番ですよね♪
TSL(フランス)のスノーシューのおススメ
最後に紹介するのは、おフランスのメーカーTSLとなります。
これが結構、変わりダネの商品で面白いのです。
スノーシューは下りに弱いのが弱点ですが、これをある工夫で克服したのがTSLです。
登りの時にヒールリフトとして、かかとが上がるシステムを取っているスノーシューは結構ありますが、TSLのヒールバーは、かかとを上げるだけでなく、下げる機構が搭載されています。
「TSL アップダウン グリップ」のヒールバーは3段階あって、「登り」「平地」「下り」のモードを切り替えることが出来ます。
価格は30,000~35,000円程度です。
前の項目のところで、ワカンvsスノーシューというを書きましたが、コレがあればスノーシューの優位性しかないということで、ワカンに圧勝できるアイテムとなっています。
結局どれが一番良いのか!?
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
いかがでしたか?
良いアイテムは見つかりましたでしょうか?
結局、どのアイテムを使うのが一番良いのでしょうか?
この記事のテーマは、「リスクマネジメントで決めるスノーシューの選び方」です。
結局のところ、どういう山に挑むのかによって、最適なアイテムは変わるということになります。
でも、いつも同じような山に行くとは限らない。
(いつもよりチャレンジングなお山へのお誘いが突然あったりとか・・・ネ)
そういうことを考えると、最も厳しい環境に耐えられるアイテムを選んでおいた方が「無難」ということになるのではないでしょうか。
つまり、スノーシューであれば、メーカーがどこのものであっても、基本的にはハイエンドモデルを選んでおけば、性能的にカバー出来る範囲は広がるし、その分リスクは減らすことが出来る。
私はそのように考えますので、私の結論は「タブスのVRT」となります。
答えはもちろん1つではありません。
そういう考え方もあるのかと、少しだけでも参考にしていただければ幸いです。
ぜひ、あなたのベストパートナーとなるスノーシューを見つけてください!!
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