最近、「熊が増えてきた」「熊に襲われた」というニュースをよく見聞きするようになりました。登山をする人、特に一人で山に登るソロ登山をする人にとっては、こういったニュースは不安を煽られているようで、あまり気持ち良いものではありませんよね。
でも、こういう場合も熊スプレーを携帯していれば安心です。
今回は、ソロ登山でも安心できる熊対策として、最強の熊スプレー「カウンターアソールト」について、解説していきたいと思います。
その前に、熊スプレーを効果的に活用するため、あらためて熊の習性に基づいた熊対策についても考察していきたいと思います。それは必要ないという方は、どうぞこの部分は読み飛ばして、「熊対策を考える⑤熊スプレーは最終兵器」の項目からお読みください。
熊はどんな場合に人を襲うのか!?
これまで、北海道の獰猛なヒグマは別として、本州に生息するツキノワグマに関しては、よほどのことがない限り、人を襲うことはないとされてきました。
基本的には臆病な生き物なので、人の気配を感じたら、自分から遠ざかってくれるからです。
ただし、例外があって、出会い頭に人間と遭遇した際に
①(熊さんの)自己防衛の手段として、
②(人間が逃げた場合)獲物を追う習性として、
③(小熊と一緒にいる場合)小熊を守ろうとして、人を襲うことが極まれ(※)にあると言われています。
※1件でもそういう事例が発生すると、「熊は危険だ!」とニュース等で大騒ぎになりますが、確率的には宝くじに当たるようなものでしょう。また、当然ながら、山で出会う熊さんと町に降りてきた熊さんとでは危険度も違います。当然、町に降りてきた熊さんの方が危険だと思います。慣れない場所で興奮しやすい環境にいる訳ですからね。ですから、ここで私が「人を襲うことが極まれ」と言っているのは、「山中での出来事としては」という意味ですので、誤解なさらないようにしてください。町中に現れた熊さんは危険ですよ。「君子危うきに近寄らず」です。くれぐれも野次馬根性で「熊を見に行こう」などとは思わないようにしましょう。
熊さんは「鼻は利く」けど「目が悪い」ため、時々そういうことが起きてしまうんですね。
気配に気づかなくて、出会いがしらに人間と遭遇してしまう。
これは人間にとってだけでなく、熊さんにとっても災難なことです。
ですから、登山をする人たちは、熊さんに向けて「ここに人間がいまっせ~」と、常にアピールする必要があるワケで、これはお互いのためということになります。
熊対策を考える①(音で知らせるアピール系)
では、どうしたら熊さんに自分の存在をアピールできるのか!?
登山をしようとする人が最初に考えるのは「熊鈴」の準備でしょうね。
私も一番最初のグループ登山では100均の鈴を買いましたが、あれは恥ずかしかった・・・。
音が安いのです(笑)
きちんとしたものを買うと3,000円~5,000円ぐらいはしますので、「つくづく山道具は高いなぁ」と思ったものです。(そこいくと、モンベルさんが出している小さい鈴は、1,000円程度で買えるうえに音色も素晴らしく、非常におススメです!)
あとは
②ラジオ
③ホイッスル(笛)
④花火・爆竹
⑤・・・なんかもいいですけど、複数のグループでワイワイとおしゃべりしながら行くのが、実は一番安心できるし、安全なのかも知れません。
ソロの方だったら、大声で「あーあー」「ワーワー」と言うのも有効です。
誰もいないところで大声を出すのは気持ちが良いので、熊対策とストレス発散の一石二鳥となって、結構おススメだったりします。
(たまに人と出会ったり、追い越されたりするとメチャ恥ずかしいですけどね)
熊対策を考える②(戦わずして勝つムツゴロウ系)
熊さんと出会ってしまった時に「俺は戦う!」という人もいるでしょう。
何もやらずにヤラれるよりは、戦ってヤラれた方がマシという武闘派タイプの方です。
「これは熊を刺激するからダメだ」「熊になんか勝てっこない」という意見もありますが、少なくとも「逃げたり」「死んだふり」をするよりは遥かにマシだと思います。
「大声を出してはダメ!」という意見も分からなくないですが、時と場合によります。
例えば
①熊との距離が50m以上離れていて、向こうがこちらに気づいていない場合
②熊との距離が20~30m程度あり、こちらに気づいているが、様子をうかがっているか、無関心を装っているような場合
こういうケースで大声を出すのは熊を興奮させるだけなので、NGというのはそのとおりです。
よく言われるのは「目を合わせたまま後ずさりして徐々にその場を離れるという手法」
これが一番無難な対応というのは、まず、間違いないでしょうね。
ただし、②の場合では、威嚇するような感じではなく、静かに優しく話しかけると離れていく場合もあるようです。
「こんにちは~」「何してんの~?」みたいな感じで、優しく優しく語りかける。
ムツゴロウさんみたいなイメージでしょうかね!?
何やかんや言うても、戦わずして勝てるなら、それが最強です。
「柔よく剛を制す」という戦い方は、身に付けておいて損はないと思いますので、頭の片隅に「選択肢」として、残しておくのも悪くないかと思います。
熊対策を考える③(夜露死苦ハッタリ系)
残念ながら、それでも熊が襲ってくる場合もあります。
出会い頭のシチュエーションでも色々と違ってくるでしょうし、熊の性格や経験、その時の気分によっても反応は違ってくるでしょう。
でも、安心してください。
熊がアタックを仕掛けてきた時、半分は「ブラフ」だと言われています。
熊さんのハッタリという意味ですが、それは半々のようです。
熊は賢い動物です。
敵となるかも知れない相手と対峙した時、おそらくは人間と同じ思考回路が働くのではないでしょうか。街中で気合の入った特攻服を着ているお兄さんがいると想像してみましょう。そのお兄さんは基本的には強気なハズですが、もしかしたら格好だけという可能性も無くはないのです。
「特攻服のお兄さん」も「熊さん」も同じです。
「コイツには勝てる」という相手には「夜露死苦」と強気になって向かってくるし、「何か強そうだし、ヤバいカモ!?」と思うような相手には近寄らずにトラブルを回避することを考えているハズ。
だから、単なるこけおどしの突進である可能性が高いにも関わらず、この時に「逃げたり」「死んだフリ」なんかしたら、「俺の方が強い」と思って攻撃してくるのは当たり前なのです。
むしろ、ここはハッタリだろうが、何だろうが、こちらも迎え撃つ姿勢を見せることが大事になってきます。では、迎え撃つ姿勢をどのようにして見せたら良いのか?
その方法を次で具体的に説明したいと思います。
熊対策を考える④(ハッタリにはハッタリで対抗する系)
さて、ハッタリで迎え撃つ方法ですが・・・
その前に、ハッタリは正攻法だということをきちんと理解しておきましょう。
自分を大きく見せることは技術です。
誰にでも出来ることではないのです。
そして、「ハッタリにはハッタリで対抗する」という考え方は非常に重要ですので、あらためて、この件について考察していきましょう。
世の中のヒエラルキー(頂点を1番強いものと考えるピラミッド型の力関係図)は、実際の力の強弱の差だけで成り立っている訳ではありません。
実際の力にプラスして「ハッタリ」も含めたトータルで、「誰が頂点に位置しているか」「どっちが上で、どっちが下か」が決まるようになっています。国際社会や人間社会における力関係を考えてみても、それは明らかなのではないでしょうか。
例えば・・・
「核兵器を持つ国」にケンカを売る国はありません。
核保有国はこのようにハッタリをかますことが出来ます。
「もし、我が国に戦争を仕掛けようものなら・・・お前の国がどうなるか想像してみろ!」
このハッタリに対して「やれるもんならやってみろ!」と言えるのは同じ核保有国だけですが、実際に、そんなことを言う・・・イヤ、言うことはあっても、実際に核兵器を使用する国など、有ろうハズがありません。
かくして、両国は実際の力の強弱を競うことなく、パワーバランス的には対等な位置づけに納まるのではないでしょうか。
これが抑止力です。
別の言い方をすれば、「ハッタリの力」ということになります。
今度は別のケース、ワンマン社長とそこで働く社員の関係で考えてみましょう。
ワンマン社長は「俺の言うことは絶対だ!言うことを聞かない奴は首だっ!」とパワハラ全開のポーズを決め込んでいたとします。
通常で考えれば、実力的にはワンマン社長が力関係では上の立場にいて、社員は下に位置づけられることになります。
しかしながら、ここで社員が、「私をクビにしたら、社長のパワハラの件を洗いざらいマスコミにぶちまけてやる~」と言い出したらどうなるでしょうか。
事の顛末は別として、ヒエラルキーの立ち位置は、少し変わってくる可能性があります。
もしかしたら、「ワンマン社長が上」という構図から「マスコミへのリークをほのめかす社員が上」に転じるかも知れないし、そこまで行かなくとも、「ワンマン社長のパワハラ全開」という態度は、若干弱まるかも知れません。
ハッタリの力というのは、結構侮れないものがあるのです。
(もちろん、何も変わらない可能性もありますけどね)
人間と動物を含めた「生き物同士」においても、同じことがいえます。
もちろん、昆虫や爬虫類、魚類等には通用しませんが、哺乳類等の感情を持っていると思われる動物には「ハッタリの技術は通用する」と覚えておきましょう。
ハイ。
ものすごく引っ張りましたが、やり方は単純です。
熊さんがこちら側に向かって突進して来たら・・・
熊さんの攻撃にカウンターを仕掛けるように、襲い掛かってくるタイミングで大声を出しながら、ポール等で迎え撃つのが正解となります。
簡単でしょ(笑)
ヒグマでもグリズリーでも、こちらに突進してきたタイミング(6~7m位の距離に近づいてきたら)で大声を出して威嚇すると、大抵はUターンするか横にそれて逃げて行きます。
この時、自分から前にダッシュして攻撃するそぶりを見せることがポイントとなります。
威嚇には十分な効果があることが知られており、実際に山で仕事をしている方々や熊の撮影をプロとするカメラマン等はこういった方法で熊を撃退しているようです。
私の周囲にも、登山道で熊と遭遇し、ポールで撃退したという方が何人かいます。
(同じようにカウンター気味に傘を広げたりするのも有効のようです)
もちろん、胆力のいることだし、実際に熊と戦って勝つなんてことは無理ですので、そこは難しいところがあります。(ナイフでヒグマを倒したという大学生のニュースは記憶に新しいですけどね)
また、当然ながら、これは過去に人間を襲った経験があり「人間は弱い生き物」だと認識している熊さんには通用しない技です。
ですから、あくまでも「ハッタリ」でしかないということは肝に銘じておくべきでしょう。
熊対策を考える⑤(熊スプレーは最強の武器)
さて、ここまで通常の熊対策について述べてきましたが、基本的に「熊が優位」であることを前提とした内容でしたので、頼りない対策だと思った方も少なくなかったかと思います。
大変お待たせいたしました。
ここからは、いよいよ「熊スプレー」について解説していきたいと思います。
まず、熊を撃退する最強の武器は、当然「猟銃」ということになります。
しかし、これを使用するには当然免許が必要となりますし、使用できる時期、エリアにも制限があるので、登山における武器としては不適当ということになります。
(ま、当たり前ですよね)
登山における熊対策のアイテムとして、免許が不要で、使用できる時期、エリアにも制限がないものを考えた場合、やっぱり「熊スプレー」が現時点では最強の武器と言えるのではないでしょうか。
熊スプレーとして、市販されている商品の中身は、基本的にはどれも一緒です。
中には激辛のカプサイシンが入っていて、レバーを押すと消火器のように凄い勢いでそれが飛び出す仕組みとなっています。
だから、つまりはカプサイシンスプレーということになります。
顔や鼻を目掛けてスプレーすると、その強烈な辛さを受けて、熊さんは逃げて行くという訳です。
カプサイシンに毒はありませんので、前述のとおり購入にあたって特別の許可は必要ありません。
また、毒がないので、熊を非致死的に撃退できるという点でも安心です。
もちろん、熊だけでなく、猪や鹿、猿などを撃退するのにもカプサイシンは有効なので、身の危険を感じる場面が訪れた場合は、応用して使うことも可能となります。
(人間に向けて吹きかけた場合、失明させてしまう可能性がありますので、くれぐれも痴漢等の護身用スプレーとしては使用しないでください)
なお、熊スプレーはすぐに取り出せる位置に置いておかなければならないし、熊が現れた時にすぐに噴射できるよう構えるトレーニングをしていなければ、武器としての用をなさないということはありますので、その辺りは考えておきましょう。
また、これを手にするということは、自分が絶対的な強者となったことを意味するので、そのあたりはきちんと自覚しておきましょう。
カウンターアソールトは最強のお守り
最後におススメの熊スプレーを紹介して終わりにしたいと思います。
熊スプレーの元祖にして最強最高のお守りとなる熊スプレー、それが「カウンターアソールト」です。
この製品は、グリズリーベアの生息地として有名な米国北西部のモンタナ州、モンタナ大学で研究・開発され生まれました。グリズリーベアは熊さんの中でも最強・最恐といわれているキングオブキングスの熊さんです。(あなおそロシア~)
その最強・最恐のグリズリー撃退に効果があるとして、アメリカ合衆国環境保護庁が最初に認証し登録した熊スプレーが「カウンターアソールト」となります。日本においてもツキノワグマに対する忌避実験で効果を上げ、1990年から30年以上も輸入実績があり、信頼できる熊スプレーとして認知されているところです。
カウンターアソールトは2種類あります。
(中身は同じで容量が違うというだけです)
①カウンターアソールト CA230(※税込15,000~18,000円程度)
容 量 310g
噴射距離 約9.6m
連続噴射時間 約7秒
※私が購入した2020年当時は税込9,878円でした。
②カウンターアソールト CA290(※税込23,000~30,000円程度)
容 量 380g
噴射距離 約12m
連続噴射時間 約8秒
※2020年当時は税込12,650円(私はCA230を購入・所持しています)
どちらの製品もカプサイシンの辛さを示すスコヴィル値は320万SHUあり、現存する熊スプレーの中では最高水準の辛さとなっています。
大体どの熊スプレーも、使用する場合は熊が5m以内に近づいてから噴射するよう書かれていますが、カウンターアソールトの場合はCA230でも約9.6mの距離がありますので、その距離の分でも大きな安心感があります。
連続噴射が約7秒というのも短いように感じるかも知れませんが、一気に全て噴射する必要はありませんので、2~3秒を2回は噴射出来るようになっています。これも他社製品と比較すると分かりますが、実は非常に長い噴射時間となっています。
現在は、カウンターアソールトよりも安価で長い噴射距離のスプレーも販売されていますが、実際にその距離が出るのか、本当に効果があるかどうかは不明です。その辺りは自己判断となりますが、こういうものに関しては、信頼と実績のある製品を選ぶべきではないでしょうか。
なお、人間に向けての噴射については失明の恐れがある旨を前述していますが、この製品に使われている主成分は天然の赤唐辛子から抽出した唐辛子エキス(カプサイシン)を利用しているので、人や動物の体内に入っても害はないということです。
ただし、ガス状になったカプサイシンを浴び、吸い込むと目や鼻、口、喉、肺の粘膜が焼けるように痛み、呼吸機能にも影響を与えるとのことです。
(致死性はなく、効果は短時間で済むとのこと)
やはり、最強の熊スプレーは取り扱いに注意が必要なようです。
(風下から噴射するとガスが風で戻されて自分の顔に降りかかる場合があるようですので、風向きにも注意が必要なようです)
また、暴発しないようセーフティクリップもついていますが、私はさらにそれを指で緩めることが出来る結束バンドで外れないよう固定して持ち運びしています。
イザという場合、構えが多少遅くなるかも知れませんが、それよりも暴発の方がコワイです。
これは一応、熊さんから身を守る武器ですが、決して使うことのない「お守り」という位置づけで所有することをおススメします。
大丈夫です。
ぶっ放すのは噛まれてからでも遅くはありません(笑)
要するに、大けがしない程度に自分の命が守られれば問題ないのです。
(違いますか?)
最強のお守りを身につけた人は、人にも、熊さんにも、自然にも優しくなれます。
本当の強さ、優しさを身につけるために、あなたも是非「カウンターアソールト」の入手を検討されてはいかがでしょうか!?
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